2019年11月 日本文化コラム

【行事】神々が題材のオペラ:『夜神楽』

【行事】神々が題材のオペラ:『夜神楽』(神楽の画像)

秋の作物の収穫も終わり、11月〜2月に各地の農村では農閑期に入ります。娯楽の少なかった時代、長い夜を過ごす人々の楽しみの一つが、『夜神楽(よかぐら)』でした。今でも、この時期には全国で神楽が行われており、11月が「神楽月」とも呼ばれるのはこのためです。

神楽は大きく2つに分けられ、雅楽の一つとして宮中で行われるものを「御神楽(みかぐら)」、その他各地で行われるものをそれとの対比で「里神楽」と呼んでいます。「里神楽」は、その形式や起源によってさまざまな種類があり、夜神楽はこちらに含まれます。

かぐら」の語源は、「神の宿るところ」「招魂・鎮魂を行う場所」を指す「神座(かむくら・かみくら)」が転じたものとされています。ですから本来、神楽とは神様をお迎えして人々と一体となるための歌舞のことを指します。この時期に行われる神楽は、秋の実りに感謝して翌年の豊穣を祈ったり、自然や神々の力が弱くなる冬の時期に魂の再生を願ったりする儀式であるとともに、日本神話の神々が登場して歌や音楽に合わせて舞い踊る、エンタテイメント性の高いものでもあります。

長い冬の夜を楽しむためのイベントの一つとして、お住まいの地域や旅行先で、ぜひ夜神楽に参加してみてください。

▼高千穂の夜神楽 (宮崎県)
11月下旬から2月上旬にかけて、各地域の民家で行われます。


※この記事は、2010年11月29日に配信された、NPO法人日本伝統文化振興機構メールマガジン『風物使』の一部を編集・転載したものです。

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